看護師の転職先として人気の企業看護師の求人の特徴、業務内容、雇用条件を分かりやすくまとめました。
企業看護師は病棟である程度臨床経験を積んだ看護師に人気のある職種です。
職種はさまざまで、今まで病棟看護師と働いていたとしたら、職種によっては全く別の職業に感じることもあるでしょう。
ただ大企業の健康診断室、産業看護師の正社員になると日勤のみで残業も少なく、年間休日125日以上の好条件・高待遇の求人案件が多くあります。
一般的な病院、クリニック、介護施設と比較すると、治験コーディーネーター、医療機器メーカーを含め、応募者が多く倍率も高いです。
それなりに看護師としての経験、スキルを求められ、さらに英語力、PCスキル、社会人としてのコミュニケーション能力もみられます。
通常より高いハードルになりますが、看護師転職サイトの求人情報やキャリアアドバイザーを活用することで、内定を取ることも不可能ではありません。
まずは企業看護師の業務を知り、どの職種が向いているのか、検討してみるのがよいでしょう。
企業看護師のおすすめ職種5選
企業内看護師(健康相談室)
・特徴
給料は普通だが福利厚生の充実している企業が多く、働きやすい。
日勤が中心で休日も多いため、看護師転職の中では求人数が少なく、競争倍率が最も高い職種の一つです。
・資格
実務経験、保健師資格があると有利
英語力、PCスキル(EXCEL、WORD、POWERPOINTの初級程度)があるとさらに有利
・業務内容
社員の健康管理、健康診断・二次検診フォロ-、面談など
・雇用
契約社員の場合は1年更新が多い。(会社の業績悪化時に契約打ち切りのリスクあり)
正社員の場合は昇進、昇給の可能性が高いが、正規雇用は減少傾向にある。
労働者健康安全機構(JOHAS)の調査によると、看護師を雇用している事業所で看護師に担当視させている業務として、①健康相談・保健指導(84.0%)、②感染症対策などの健康危機管理対策への関わり(72.9%)、③職場巡視や安全・衛生委員会への関わり(69.7%)、④労働衛生管理や健診実施などの保健事業の年間計画作成への関わり(67.6%)、⑤ストレスチェックの実施(55.9%)の順に高かった。(参考:労働者健康安全機構(JOHAS)『令和2年度事業場における保健師・看護師の活動実態に関する調査報告書』)
治験コーディネーター(CRC:Clinical Research Coordinator)
・特徴
SMO(治験施設支援機関)か医療機関に所属する。
基本的には土日が休みで日勤。
・資格
特別な資格は必要なし(看護師として3年以上の臨床経験)
臨床試験、疾患、GCP、医薬品の知識があり、コミュニケーション技術の高い人は有利
英語力、PCスキル(EXCEL、WORD、POWERPOINTの初級程度)があるとさらに有利
・業務内容
治験実施計画書に基づき、進行をサポート。
治験に参加者の募集や、被験者のスケジュール調整、治験の説明文書・同意書・症例報告書の作成などを行います。
・雇用
マイナビ看護師に治験業界の求人多い。
病院・クリニックと比較すると採用率は低い。
医療機器メーカー
・特徴
基本、日勤で安定。
看護師転職の中では求人数が少ない。
病院・クリニックがお客さん。
・資格
特になし。
大手企業の場合、英語力、PCスキル(EXCEL、WORD、POWERPOINTの初級程度)があるとさらに有利
・業務内容
医療機器営業(SR)、クリニカルスペシャリスト、マーケティング職など職種もさまざま。
・雇用
正社員の場合は昇進、昇給の可能性あり。
国内より外資系医療機器メーカーの方が給与のよいところが多い。
コールセンター
・特徴
デスクワークで体力的負担は少ない。
看護師としての経験が活かせる。
健康に関する知識が増える。
夜勤ありのシフト制が多い。
・資格
特になし。
・業務内容
生命保険会社や病院、企業、個人の健康に関する相談業務。
・雇用
企業内看護師の中では転職しやすい職種。
保育園看護師
・特徴
基本、日勤で残業は少ない。
体力的負担は少なめ。
保育士、親御さんとの関係性が大切。
・資格
特になし。
PCスキル(EXCEL、WORD、POWERPOINTの初級程度)があると有利。
・業務内容
子ども、職員、保護者・家庭の健康に関する業務(健康診断・保健指導)、広報物作成、保育業務など
・雇用
企業内看護師の中では難易度が低い。
企業看護師への転職体験談(インタビュー)
総合病院から企業内保健室への転職
【自己紹介・転職理由・結果】
看護師8年目です。
今までは循環器科、整形外科病棟でお仕事をしてまいりました。
年齢的にも交代勤務がだんだんしんどくなってきたこと、キャリアアップしたいことを理由に転職をしました。
転職活動は、かなりスムーズで、幸運なことに一社目で採用をしていただきました。
【転職活動】
まず、転職希望先の企業分析をしました。
どういったことに力を入れているのか、どういう人材をほしいと思っているのか、人材紹介会社の方と一緒に志望動機を考えました。
また、今までの自分の経歴をいかに転職希望先で発揮できるのかを力説できるように、志望動機を綿密に練りました。
【自己PR】
循環器、整形外科で働いてきたので、何かあったときにノーマルな保健師よりも対応できるということをアピールしました。
また、看護師から保健師に転職したため、職種が変わることに不信感を抱かれないように、なぜ保健師をめざすようになったのか、「もっと早い段階から予防すればよかった、もっと健康に気をつければよかったとう患者さんの言葉を耳にして、健康なうちから対策をとることの重要性を伝えることの重要性、使命を感じた」といったように、これまて病棟で働いてきたエピソードも交えながら、転職動機を説明できるようにしました。
【志望動機】
病棟で働いているうちに、普段から食生活や運動生活に気をつけていれば、糖尿病などで苦しむことがなかっであろう患者さんたくさんみてきました。
若い頃から健康的な生活を送ることは、いつまでも健康的に働くためには大変重要なことであると考えます。
私はこれまで働いてきた経験を活かして、御社で予防活動に携わることを希望します。
といったように志望動機を記入しました。
企業看護師求人情報まとめ
企業看護師の求人では、臨床経験のほか、ビジネスマナー、パソコンスキル、職場によっては英語力が必要とされることが多いです。
日勤が中心で土日休みで休日が多く、デスクワークが中心で体力的負担の少ない職種が多いため、転職で人気の職種となっております。
実際の企業看護師求人での給与は年収350万円~400万円台からを提示する企業が多いので、一概に給与が良いとは言えませんが、大企業・優良企業で役職に就けば、年収700万円以上も可能です。
そのため、求人案件(特に正規雇用)は少なくなっているので、条件の良い企業への転職を希望される方は、「タイミング」も必要になってくるでしょう。
いずれにしても、求人を探して応募する必要がありますので、大手の看護師転職サイトで求人情報を得ることが、企業内看護師への第一歩といってもよいでしょう。
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