年収を10%アップさせる看護師の転職法とは?

年収を10%アップさせる看護師の転職法とは?

この記事はあくまでも『現在働いている職場よりも年収を10%アップさせる転職』にこだわっています。

転職によって給与を増やしたい看護師さんに役立つ情報です。

そうとはいえ、「転職で年収を減らしたくない」、「今の看護師の年収がどのような状況なのか知りたい」という方にとっても知っておいて損のない情報でもあります。

様々な資料から分かりやすく視覚化してお伝えしておりますので、参考にしていただければ幸いです。

看護師の転職で年収を10%アップさせるには?

看護師の転職で年収を10%アップさせるには、以下の要素を総合的に比較検討し、転職先を決定させるとよいでしょう。

看護師の平均年収・2022年度
看護師の平均年収・2022年度

厚生労働省の令和3年賃金構造基本統計調査(公開日:2022-03-25)によると、看護師の平均給与は月34万4,300円で、年間賞与は平均85万4,600円でした。

これを年収換算(千円単位四捨五入)にすると、平均年収は499万円(年齢41.2歳、勤続9.2年)となります。

ちなみに男性看護師の平均給与は月35万5,200円、年間賞与は平均92万1,000円で、平均年収は518万円(38.4歳、勤続9年)です。

准看護師の平均給与は月28万6,700円・年間賞与は62万6,800円なので、平均年収は407万円(50.4歳、勤続11.5年)です。

日本人の平均年収は445万円(※1)となっており、看護師の方は平均年収以上、准看護師の方は平均年収をやや下回っています。

これが、今の看護師の平均年収のメルクマール(指針)となるでしょう。

ただし、これはあくまでも平均であって、以下の要素を考慮に入れなければなりません。

看護師の年収をアップさせる4つポイント
看護師の年収をアップさせる4つポイント(地域、施設・職種、勤務形態、経験・技術)

①地域

勤務する地域によって、給与の相場が大きく異なります。

スクロールできます
都道府県 現金給与額 年間賞与額 年収 (年齢)
北海道 31.82万円 83.84万円 465.6万円 (41.1歳)
青森 36.1万円 101.56万円 534.7万円 (43.4歳)
岩手 30.73万円 82.07万円 450.8万円 (43.5歳)
宮城 32.96万円 91.85万円 484.3万円 (41.4歳)
秋田 31.8万円 94.11万円 475.7万円 (40..7歳)
山形 30.69万円 67.98万円 436.2万円 (41.5歳)
福島 30.79万円 68.88万円 438.3万円 (42.0歳)
茨城 33.19万円 82.6万円 480.8万円 (39.6歳)
栃木 32.48万円 84.38万円 471.5万円(42.3歳)
群馬 28.99万円 73.89万円 421.7万円 (40.3歳)
埼玉 34.31万円 82.86万円 494.5万円 (39.7歳)
千葉 33.29万円 79.2万円 478.6万円  (38.6歳)
東京 35.6万円 79.98万円 507.1万円 (38.2歳)
神奈川 35.45万円 69.47万円 494.8万円 (39歳)
新潟 32.85万円 78.07万円 472.2万円 (40.5歳)
富山 34.51万円 90.83万円 504.9万円  (43.1歳)
石川 31.19万円 103.53万円 477.8万円 (39.9歳)
福井 32.89万円 99.53万円 494.2万円 (39.1歳)
山梨 32.26万円 79.28万円 466.4万円 (43.4歳)
長野 31.9万円 83.55万円 466.1万円  (39.1歳)
岐阜 34.3万円 107.9万円 519.5万円 (40.9歳)
静岡 34.17万円 80.66万円 490.7万円 (41.2歳)
愛知 33.3万円 92.25万円 491.8万円 (41歳)
三重 31.55万円 72.16万円 450.7万円 (36.9歳)
滋賀 32.28万円 76.76万円 464.1万円 (38歳)
京都 33.32万円 82.13万円 481.9万円 (39.9歳)
大阪 33.16万円 69.2万円 467.1万円 (39.9歳)
兵庫 32.97万円 79.76万円 475.4万円 (40.3歳)
奈良 36.41万円 73.08万円 510万円 (37歳)
和歌山 31.96万円 80.99万円 464.5万円 (36.5歳)
鳥取 31.85万円 80.95万円 463.1万円 (39.7歳)
島根 30.13万円 85.21万円 446.5万円 (42.2歳)
岡山 30.36万円 73.58万円 437.9万円 (39.4歳)
広島 30.53万円 109.61万円 475.9万円 (40.5歳)
山口 32.91万円 92.81万円 487.7万円  (41.6歳)
徳島 33.29万円 91.85万円 491.3万円 (42.2歳)
香川 29.99万円 77.26万円 437.1万円  (39.2歳)
愛媛 29.86万円 75.9万円 434.2万円 (41.5歳)
高知 29.46万円 75.11万円 428.6万円 (42.7歳)
福岡 30.93万円 74.22万円 445.3万円 (39.9歳)
佐賀 30.68万円 69万円 437.1万円 (43.5歳)
長崎 31.38万円 84.51万円 461万円 (41.5歳)
熊本 27.14万円 68.31万円 393.9万円 (41歳)
大分 27.18万円 66.68万円 392.8万円 (41.8歳)
宮崎 29.73万円 82.37万円 439.1万円 (38.5歳)
鹿児島 29.46万円 75.44万円 432.2万円 (40歳)
沖縄 31.61万円 75.4万円 454.7万円 (41.6歳)
全国平均 33.24万円 80.11万円 479万円 
賃金構造基本統計調査(令和2年賃金構造基本統計調査)より作成

参考:厚生労働省『令和2年賃金構造基本統計調査 』※百円以下の単位は切り捨て

看護師地域別賃金相場
看護師地域別賃金相場

たとえば、首都圏と九州・沖縄の差は月に7万円の差、ボーナスを含めると年収で100万円近い差があります。

都道府県別(上記の表)で比べた場合、青森県と大分県の差が最も大きく、141万9,000円の差があります。

もちろん年度や調査によって異なりますので、あくまでも参考程度です。

地方から上京して転職したり、隣の都道府県の賃金相場が高い場合、求人を探す地域を広げることも検討の余地があるといえるでしょう。

同じ規模の施設、同じ職種・診療科、同じ勤務体系で働くという条件でも、相対的に給与の上がる可能性が出てきます。

②施設・サービス

施設・サービス
施設・サービス

・公的・民間

国立病院(公務員の給与体系)か民間病院かという分け方でも、年収や生涯賃金で大きな差が出ます。

公務員と同じ給与体系の公立病院であれば、特に管理職になった時、民間と比べて公立病院の方が、3割程度収入が多くなります

・病院・施設の規模

言うまでもありませんが、基本的には大病院の方が町の少人数のクリニックよりも給与は高くなる傾向にあります。

・施設形態・職種

看護師サービス別賃金相場
看護師サービス別賃金相場

昨今、看護師が不足しがちな訪問看護、有料老人ホーム、サ高住などの給与が、一般的な病院・クリニックより給与の高いことが多いです。

③勤務形態

勤務形態
勤務形態

時給で換算すると、 夜勤専従 > 二交代・三交代 > 日勤 となることが一般的です。

ただし、夜勤専従で勤務日数が少ない場合、通常の夜勤(二交代・三交代)の給与より少なくなることもあり得ます。

④経験・技術

経験技術
経験技術

年齢、資格、役職によって給与が異なるのは、当然と言えば当然ですが、それによる手当てがどれ位異なるのかは、転職時に必ずチェックしておかなければなりません。

たとえば、保健師と助産師の平均年収は以下の通りです。

保健師の平均年収481万円(41.8歳、勤続8年)
助産師の平均年収554万円(37.1歳、勤続7.5年)

保健師は、看護師よりも年収が少ないですが、ほぼ日勤だけで夜勤手当はありません。

その他、応募の際に福利厚生をチェックしておきましょう。

年収が上がらなくても、転職先の福利厚生が充実していれば、実質的な年収アップにつながるからです。

【参考】
※1)政府統計の総合窓口(令和3年賃金構造基本統計調査 看護師)

※2)PR TIMES【2022年最新】日本の「平均年収」「年収中央値」を調査

2.年収アップの思考方法

看護師の年収アップの思考法
看護師の年収アップの思考法

ケース①転職サイトをフル活用する

高給の看護師求人に巡り合える事が大前提です。

そのためには、看護師求人の情報網を張り巡らせることが必要になります。

個人が探すのと、転職に特化した専門の事業者が探すのとでは、どちらが年収アップにつながる求人に出会える確率が高いのかは明白でしょう。

ケース②地域(勤務地)、施設形態・職種、勤務形態を転職で変えてみる

給与は相対的に決まることが多いです。

転職で年収を増やすためにスキルアップは、必ずしも必要ではありません。

地域(勤務地)、施設携帯・職種、勤務形態を変えることで、給与がアップする可能性を高くすることができます。

ケース③英語の得意な人、好きな人は、海外で働いてみる

アメリカの看護師の給与体系

たとえば、アメリカで看護師の平均年収は$70,000(約750万円)(『2022s 100 Best Jobs in America | Best Jobs Rankings US News Careers』)で、日本の看護師の1.5倍です。

日本の看護師資格があれば、The Commission on Graduates of Foreign Nursing School(外国看護学校卒業生審議会)の審査を受け(州によってはTOEFLやIELTSなどのスコアが必要)、NCLEX(アメリカ合衆国の正看護師資格試験)を受験する必要があります。

英語だけでなく、看護師としての専門知識も問われます。

アメリカの看護師は、日本よりと比較すると、専門性が細かく分類されており、医師と対等なくらい地位も高いです。

しかし、その分勉強も必要になります。

他にはオーストラリアの看護師もおすすめです。

オーストラリアの看護師の平均年収は約848万円(2021年10月時点)(『ナースプラス 看護師が海外で働くメリット・転職する方法|向いている人の特徴』)と、アメリカ以上に稼げる可能性があります。

年収も大事ですが、残業がほとんどないこともメリットといえるでしょう。

オーストラリアの看護師になるには、看護師協会への登録して、看護師資格を得る必要があります。

条件については、オーストラリア看護助産委員会(NMBA)にある通りです。

大卒と専門学校や短期大学では条件が異なるので、注意しましょう。

年収をアップさせる看護師の転職法のまとめ

年収をアップさせる看護師の転職法まとめ
年収をアップさせる看護師の転職法まとめ
  • 現在の状況と給与の相場を知っておくことが必要
  • 給与は、地域(都道府県)、病院・施設の状況、勤務形態、経験やスキルによって、決まる
  • 地域(勤務地)、施設形態・職種、勤務形態を変えることで給与の上がる可能性が増える
  • 看護師転職サイトを活用して、なるべく多くの求人から条件に合うものを選ぶとよい
  • 英語を話せる人は、海外の看護師を目指すのも一つの方法である
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

医療系人材ビジネス業界で10年勤務。
看護師はじめ、医師、薬剤師、介護福祉士など医療福祉業界の動向に詳しい。
現在は転職に関する調査、取材、数値分析、ライティング業務、転職サイトの監修を行っている。

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次