看護師転職サイトは使うと不利なのか?不採用になる理由とは

看護師転職サイトを使うと不利?

①紹介料が高いから採用されない?

看護師だけに限らず、人材紹介会社(転職エージェント)は、雇用主からの紹介料(成功報酬)を得ることで成り立っています。

大手の転職紹介会社は平均で年収の30~35%が相場です。

たとえば、雇用主が年収500万円の看護師を一人雇うと150万~175万円を成功報酬として支払うことになります。

したがって、採用コストのかからないハローワークからの紹介が雇用主にとっては有難いのです。

しかし、よく考えてみてください。

もし人材紹介会社を利用するメリットがなければ、なぜわざわざ人材紹介会社に求人の依頼をするのでしょうか?

実際には、以下のメリットがあるので、高い報酬を支払ってでも、看護師を採用したいのです。

  • 紹介料は成功報酬型であることが多く、求人広告と異なり、採用を確定するまで料金が不要
  • 非公開で求人を出したい時は、クローズドにできる。
  • 必要なレベル、スキルを持った看護師を選ぶことができる。
  • 採用活動に必要な手間をかけないで済む。

つまり、雇用主は上記のメリットを享受して採用しているので、紹介料が高い看護師を採用しないということではありません。

また看護師側からみると、応募する病院や企業の情報を紹介会社から得られたり、アドバイスをもらえるため、逆に有利になることもあります。

したがって、紹介料が問題になることはほとんどありません。

参考:厚生労働省の『採用における人材サービスの利用に関するアンケート調査結果の概要』によると、看護師・准看護師の求人手数料の平均は年収の26%でした。

②看護師転職サイトより直接応募は有利か?

採用に有利か不利かという観点からは、直接応募をメインにしている企業や病院に応募する場合は、不利になる可能性があります。

またこじんまりした家族経営的なクリニックや介護施設なら、直接応募の方が採用されやすいかもしれません。

しかし、もしそれが①と同じく、紹介料が高いという理由で採用しないというのであれば、逆に企業や病院の経営方針や経営状態に何らかの問題が生じている可能性があります。

看護師転職サイトを利用しない場合、直接応募でのデメリットは、以下の通りです。

  • 選考スケジュール、日程を組みにくい
  • 履歴書送付、面接の日程など手続きも選考対象になる
  • 入職後のミスマッチが発生する危険性が高くなる
  • 休暇や給与など雇用条件の交渉がしづらい

したがって、直接応募の場合、メリットとデメリットを考慮するとよいでしょう。

③キャリアアドバイザーのせいで転職が失敗に終わる?

看護師転職サイト(コーディネート型)には、担当のキャリアドバイザーが付いてくれます。

キャリアアドバイザーは、転職活動において、求人探し、応募書類の書き方、面接のレクチャー、応募先の詳細な情報の提供、面接の日程調整、希望条件の交渉の代行などを行ってくれるパートナーです。

しかし、キャリアアドバイザーもただの人間です。

一人一人個性があり、中にはやたらとしつこく希望とは異なる求人を勧めてきたり、逆に意欲が感じられない者もいるかも知れません。

そうなれば、転職がうまくいかない可能性があります。

その場合は、情にほだされることなく、思い切って担当者を替えてもらうか、紹介会社を変えてしまってよいでしょう。

もし転職に失敗してもだれも責任を取ってくれません。

人生を選択するのは、あなた自身だという主体者意識を持ちましょう。

転職で不採用になる理由と採用されるために必要なたった2つのこと

転職で不採用になる理由
採用されるために必要なたった2つのこと

転職で不採用になるのは、書類選考の段階と面接の段階がありますが、履歴書・職務経歴書の書き方や面接のマナーなど細かな理由はここでは説明しません。

それよりもっと根本的なことで、不採用になる理由をお伝えします。

不採用になる理由は突き詰めると、たった2つの理由しかありません。

「採用してもすぐに辞めるのではないか」、「採用後しても期待する働きをしてくれないだろう」と面接官に思われた。

ということなのです。

それは言い換えれば、如何に応募先の病院、施設、企業に「定着してくれるか」、そして「貢献してくれるか」です。

『定着し、貢献できる人材かどうか?』

考えてみれば、ごくごく当たり前の話ですが、転職する前に準備する履歴書の自己PR欄、志望動機欄を書く時に、「定着と貢献」を常に念頭において書いている人は意外と少ないものです。

面接において、特に勤続年数が3年未満の場合は、面接官は「すぐに辞めるのではないか?」という目で見ていることを念頭に置いておく必要があります。

貢献できるかどうかは、応募先の職場が求めている人材と一致しているかということです。

貢献できることを面接の場で具体的に語れることが採用されるために必要だと言えます。

「定着と貢献」を常に意識し、履歴書に書く内容や面接時に話すことを準備しておくことで、不採用になる確率を減らすことができます。

看護師転職サイトを利用した看護師

■看護師転職サイトを利用してよかった

(かすみさん、20代後半、女性)

マイナビ看護師・看護のお仕事・ナース人材バンクを利用しました。

①簡単な自己紹介(キャリア、年収、施設・診療科名、勤務体制、ライフスタイル等)

看護師7年目、年収は500万円程度、がん専門病院の消化器内科勤務、勤務体制は二交代、趣味は彼との旅行、女子会でちょっといいごはんを食べに行くこと

②転職理由(辞めた理由)・転職回数

転職回数は二回。

一回目は総合病院からリハビリ病院への転職。

二回目はリハビリ病院からがん専門病院への転職。

総合病院は福利厚生面が不十分で夜勤5回連続の勤務や、休日の買取などがあった。

残業も多く、体力的につらいと感じた。

定時で帰れて、休みが多いところで働きたいと希望し、リハビリ病院への転職に至った。

しかしリハビリ病気ではプライベートは充実したものの、排泄ケア、不穏対応ばかりの日々に嫌気がさしてしまった。

総合病院時代に経験していた、がん看護をやりたいとおもいふたたび転職した。

③看護師転職サイトを選んだ理由(複数あればそれぞれの理由)

検索サイトで上位にでてきた順に登録していった。

④看護師転職サイトを利用した感想(複数あればそれぞれの感想)

看護ルーは丁寧に条件のあった求人を送ってくれた。

マイナビは連絡が途絶え支援はいただけず、こちらに関しては2点。

ナース人材センターは条件にあわない求人もくれた。

最終的にそれが気になり応募にいたった。

⑤転職活動の中で印象に残ったエピソード

条件とは違う点があったがそこから募集にいたった経験を通して条件は自分のなかのもので、第三者として転職のプロに意見を求める大切さを学んだ。

⑥これから転職する後輩へのアドバイス

ゆっくり、じっくり自分がどんな看護をしたいのか、休みを大事にしたいのか、お給料が大事なのか、、、優先順位を考えるとよりよい転職になるとおもいます。

■看護師転職サイトを利用しなくてもよかった

(べるさん、30代前半、女性)

看護ルー・ナース人材バンクを利用しました。

①簡単な自己紹介(キャリア、年収、施設・診療科名、勤務体制、ライフスタイル等)

看護師歴10年、急性期病院の病棟勤務、経験した科は消化器、呼吸器、循環器です。

お休みは月10日程度で、サービス残業はありますが、比較的残業代はきちんと出る病院です。

2交代で、夜勤回数は月4回です。

お休み希望ができるかは、上司次第ですが、比較的希望が通りやすく、夏休みも長期お休みは可能です。

②転職理由(辞めた理由)・転職回数

転職を考えたのは、お給料が増えず、減るようになったこと、サービス残業が多いこと、その上看護師の業務や責任が、増える一方だったからです。

③看護師転職サイトを選んだ理由(複数あればそれぞれの理由)

とくに理由はなく、ネットで検索してすぐに出てきたサイトを利用しただけです。

④看護師転職サイトを利用した感想(複数あればそれぞれの感想)

高給案件あり(年収700万、月給40万円くらい)と記載されていても、実際細かく話を伺っていくと、年収600万円の案件もなかなかでできませんでした。

希望を伝えても、いくつか希望に沿わない妥協した案件を知らされることが多かったです。

ただ、何度も希望を伝えて、それに対して、何度も何箇所か探していただけました。

そのあとも、色々ショートメールや電話で就職活動情報を送ってもらってますが、不要ですと言っても届くこどあったので、申し送りや名簿の整理はしてほしいと思いました。

⑤転職活動の中で印象に残ったエピソード
⑥これから転職する後輩へのアドバイス

転職するには、人間関係やお給料、休み、残業手当など、病院側が提示している内容でも、本当は違うことも、多く、残業代がでなかったりすることもあります。

その点、看護師転職サイトの方は沢山の実際の情報を持っていらっしゃるので、本当の情報が入りやすいのではないかと思います。

相談して、本当に自分の希望に沿った就職先を選ぶといいと思います。

■看護師転職の体験談

(ユキさん、20代後半、女性)

大阪で正看護師をしていました。

①簡単な自己紹介(キャリア、年収、施設・診療科名、勤務体制、ライフスタイル等)

大阪市内の病院に正規の看護師として勤めていました。

年収は300万円程度で、週休1~2日程度でした。

未婚実家暮らしで、インドア派です。

②看護師を目指した理由

母親が長年看護師を勤めており、この仕事のいいところと悪いところも母親を通して見てきました。

本格的に目指したいと思ったのは高校生の頃で、たまたま通っていた高校が看護の勉強をできるところだったからです。

人の命を救いたいという立派な夢を持っていたのではなく、親近感があったので勉強を始めていきました。

③転職回数

1回

④それぞれの転職理由

担当していた病棟で、高齢の男性患者の方のセクハラに耐えられなかったからです。

上司に訴えても何も改善されず、「我慢が足りない」と逆に怒られて、頭にきたからです。

⑤目指す理想の看護師像

患者さんに明るく優しく、どんな状況でも冷静かつ臨機応変に対応できる看護師になりたいですが、まだまだなれそうにありません。

ですので、とりあえず一緒に仕事をするスタッフや患者さんに常に敬意を払いながら働ける人間になりたいです。

⑥それぞれの転職経験から得たもの、面接対策などの裏ワザ・ノウハウなど

転職経験から得られたものはわかりません。

面接では看護師としての経験や知識は問われますが、それ以上にコミュニケーション能力が重視されているように感じます。

⑦これから転職する後輩へのアドバイス

まだまだ経験が浅く、1回しか転職経験がない自分にアドバイスできるとは思えませんが、1回や2回上手くいかなかったからといって、落ち込んだりしないでください。

人生働いている時間の方が長いので、その間に自分に合う職場を見つけたらいいという気持ちで挑んだらいいと思います。

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この記事を書いた人

医療系人材ビジネス業界で10年勤務。
看護師はじめ、医師、薬剤師、介護福祉士など医療福祉業界の動向に詳しい。
現在は転職に関する調査、取材、数値分析、ライティング業務、転職サイトの監修を行っている。

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